龍の涙  2010.11.1


「あらゆる可能性に対して、自分を開いておこう」
頭で考えて、私にはできないと、自己限定するのはやめよう。
「やってみたい。」「やってみよう。」と思ったら、迷わずに、一歩を踏み出してしまおう。

以前、心の奥に押し込めていた色々な想念に気づいてゆく過程で、心がゆらぎ辛かった時、一人の友達がやってきて、私を、遺跡発掘の現場での仕事に誘ってくれた。
「まさか、私にできるはずがない。」と、頭では考えたけれど、「面白そう。やってみよう。」と、心が思った。

そして一年半、私は、土を掘り起こしては、一輪車で運んだり、小さなシャベルで土器のかけらなどを掘り出す作業を続けた。
体はくたくたに疲れたけれど、気分はよかった。
その時の私には、青空の下で、風や光に身をさらして、土に触れていることが、一番必要なことだったのだと思う。

その頃に出来たのが、「龍の涙」という歌だ。

自分を縛りつけている、さまざまな思い込み、固定観念、常識を、勇気を出して断ち切って、もっと自分を自由にしてゆこう。
自分の心の中に、自由と平和を実現することで、その喜びを周りに広げてゆき、新しい時代を創ってゆこう。
そういう想いが胸にあふれてくる時、歌いたくなる歌です。



    龍の涙   詞・曲 鈴木京子

わたしの中に 赤い火を吹く 怒りに燃えた龍がいる

鎖につながれ 飼いならされた 生き物にだけはなりたくない

この世界の 嘘と欺瞞を 熱い炎で焼きつくしたい


わたしの中に 力みなぎる 強い心の龍がいる

岩山のように 立ちはだかる 愚かな思い込みの心の壁に

激しくこの身を 打ちつけて こなごなに砕きたい


わたしの中に 雨を降らせる やさしい心の龍がいる

大地とひとつに とけあって いのちを育てる恵みの雨は

この世界の 悲しみに 心引き裂かれる龍の涙


いかづちよ 闇を切り裂け 黒雲よ みそぎの雨を呼べ

この世界を 新しく 拓いてゆきたい


若き友よ 立ち上がれ 澄んだまなざしで 未来を見よ

風と大地と 心通わせ 強くやさしい 龍になれ